漆/



漆という素材の魅力に魅せられて。制作や本の話や雑話など。

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2014年5月11日日曜日

気がつけばいつもグレー



優れた芸術作品の前に立つと、言語化の前に空白がある。
その空白の最中では、認識を構築しているような感覚がある。そうしてしばらくして、あれが良かった、これが良かったなどと言語化が始まる。赤ちゃんは、そうした言語化の前の空白で世界を捉えているのではないかと思った。


急に意識が浮上することがある。
水底から、淡い揺らぎに向かってふわっと浮かび上がるあの感覚。
まだ日も出ていない。カーテンの隙間から見えるのはちょっと濁ったグレー。
そのままふっと寝てしまうことは多い。でも目が冴えて、ゆっくりと上体を起こすことも多い。


シャツとジーパンに、簡単に着替えてぼさぼさ頭を隠す様に帽子を深くかぶる。
春になったとはいえ、まだ朝方は肌寒い。


黄色い自転車。もう今年で3歳になるみたい。
この子とは、心が通じている気がする。時々話しかけてしまったりする。
そういう感覚ってあるでしょう



変わらないものが好き。
目に見えないものが好き。

昔の空はどういう色をしていたんだろう。

朝方の、誰もいない道を自転車で漕ぎながら考える。
行き先が決まっていることは無い。

一番新しい朝は、常に空白の世界。



そういうものが全てゲンテンになればいい。






本日の一冊
血液と石鹸/リン・ディン






2013年4月17日水曜日

調和を読む

年を重ねるごとに感動がだんだんと減っていく。
心の揺れ幅ってものがゆるやかになっている。
私の場合、それはちょっと人より来るのがはやかった気もする。
言葉にするならなんて書くのかな。
諦め?冷め?
熱狂的になるくらいの信仰心とか、所謂ハマるってやつが今とても欲しい。

どうしてだろう?


「僕も昔は君と同じくらい熱心にロックを聞いてたんだ。世の中にこれくらい素晴らしいものはないと思ってた。聴いているだけで幸せだった。」

「今はどうなの?」
「今でも聴いている。好きな曲もある。でも歌詞を暗記するほどは熱心に聴かない。昔程は感動しない。」
「どうしてかしら?」
「どうしてだろう?」
「教えて」

「本当にいいものは少ないということがわかってくるからだろうね。」
「本当にいいものはとても少ない。何でもそうだよ。本でも、映画でも、コンサートでも、本当にいいものは少ない。ロック・ミュージックだってそうだ。いいものは一時間ラジオを聴いて一曲くらいしかない。あとは大量生産の屑みたいなもんだ。でも昔はそんなこと真剣に考えなかった。何を聞いてもけっこう楽しかった。若かったし、時間は幾らでもあったし、それに恋をしていた。つまらないものにも、些細なことにも心の震えのようなものを託することができた。僕の言ってることわかるかな?」(村上春樹/ダンスダンスダンス)

わかるよ。今ならわかるんだ。

書いてる只今午前2時。
明日の日の出は5時5分。

さて。

あしたもちゃんと大学行くのなら、もう寝る時間です。