漆/



漆という素材の魅力に魅せられて。制作や本の話や雑話など。

2014年6月5日木曜日

観に行った展示など。


最近寄った展示を二件。

人は、自然に敵わないと思っています。それは災害という意味でなく、芸術的な意味でも。
ただし人間に与えられた根源的な資質の一つである" イメージ "が、圧倒的な力を持っていることも事実です。
全身で呼吸を体感する。ゾッとする感じがたまらなく心地よかったです。
今月9日まで。国立新美術館で。








京都に行くと必ず立ち寄る美術館。清水三年坂美術館。
ここのコレクションは恐ろしいと常に感じます。(勿論素晴らしいという意ですよ)
丁度根付の展示を行っていました。
しかし変態の巣窟だ。。

「幕末・明治の帳細密根付」

清水三年坂美術館
2015年5月24日(土)〜8月17日(日)
休館日は月曜、火曜なのでお気をつけ。


2014年5月11日日曜日

気がつけばいつもグレー



優れた芸術作品の前に立つと、言語化の前に空白がある。
その空白の最中では、認識を構築しているような感覚がある。そうしてしばらくして、あれが良かった、これが良かったなどと言語化が始まる。赤ちゃんは、そうした言語化の前の空白で世界を捉えているのではないかと思った。


急に意識が浮上することがある。
水底から、淡い揺らぎに向かってふわっと浮かび上がるあの感覚。
まだ日も出ていない。カーテンの隙間から見えるのはちょっと濁ったグレー。
そのままふっと寝てしまうことは多い。でも目が冴えて、ゆっくりと上体を起こすことも多い。


シャツとジーパンに、簡単に着替えてぼさぼさ頭を隠す様に帽子を深くかぶる。
春になったとはいえ、まだ朝方は肌寒い。


黄色い自転車。もう今年で3歳になるみたい。
この子とは、心が通じている気がする。時々話しかけてしまったりする。
そういう感覚ってあるでしょう



変わらないものが好き。
目に見えないものが好き。

昔の空はどういう色をしていたんだろう。

朝方の、誰もいない道を自転車で漕ぎながら考える。
行き先が決まっていることは無い。

一番新しい朝は、常に空白の世界。



そういうものが全てゲンテンになればいい。






本日の一冊
血液と石鹸/リン・ディン






2014年4月8日火曜日

URUSHI WORKS 2014


また、いつの間にか桜の季節です。

展示のお知らせです。


URISHI WORKS 2014 


2014年4月16日(水)〜23日(水)

AM12:00〜PM7:00(期間中無休・最終日はPM4:00まで)
Gallery Tanaka ギャラリー田中 
〒104-0061 東京都中央区銀座7-2-22 同和ビル1F
出品作家
奥井美奈/柏原由貴子/加藤萌/小西明日香/小西寧子/白岩有美/鶴田明子/豊平江都/中静志帆 (五十音順)








ひとくちに「漆芸」といっても技法は多種多様で奥行きはあまりに深く、幅も果てしなく拡がっている世界です。
近年、多くの分野で女性の活躍がめざましく、日本の漆芸の未来を担う作家という想いから展覧会を企画いたしました。
どうぞご高覧の程をお願い申し上げます。(DMより抜粋)

今回は女性漆芸作家9人のグループ展です。
伝統工芸の技術のしっかりした方々とご一緒させていただくので、今からうわああああああああああぁぁぁ、、となっていますが私はいつも通りに出させていただきます。
白鷺棗(2号)と壁面作品の2点(予定)です。

お時間ございましたらお立ちより下さい。
よろしくお願いいたします。

カトウ


2014年1月21日火曜日

東京藝術大学卒業・修了作品展


ついに六年間という長い学生生活を終えることになりました。

長いようで、しかしこの場に立ってみると本当に一瞬の出来事でした。そしてとても濃い学生生活でした。それはこの大学でだったからかもしれません。

”集大成” と胸を張っては言えません。
反省も悔しさも多いからです。
だからこれは"スタートライン"であってほしいと願っています。

先生方をはじめ、同級生、家族、そしてお世話になったすべての方に感謝いたします。

                               2014.1.21






「透明な対話」

多分
世の中や 社会や 他人を知ることよりも
自身を知ることの方が
酷く難しく 恐ろしく 勇気のいることだと思います。

見たいような 見たくないような
知りたいような 知りたくないような

そんな誰もが持つ
"透明な対話" を感じていただけたら幸いです。



第62回 東京藝術大学卒業・修了作品展/美術学部・大学院美術研究科修士課程

会期:2014年1月26日(日)〜1月31日(金)
時間:9:30〜17:30(入場は17:00まで) 最終日9:30〜12:30(入場は12:00まで)
学部:東京都美術館  大学院:大学美術館・大学構内 
主催:東京藝術大学


私は大学美術館地下二階にて展示しております。
お時間ございましたら是非お立寄下さいませ。







2014年1月4日土曜日

明けましたので



美術はずっと自己満足でしかないと思っていました。

人と直接関わるデザインならともかく、絵画、彫刻、それに私のやっていることなんて、自分の主張したいことを見てくれる人に一方的に見せつけるものでしかないんだと。

それって結構暴力的なことで、勿論全部が全部では無いのだけれど、特に現代の美術って、うーん、美しくないなぁって。

でも最近やっと、自分の作る物を楽しみにしてくれる人が出てきて、
それさえ昔は社交辞令か、なんて疑ってみたりしたんだけども。

自分の為だけではなく、人の為にもなるんだと

やっとか、って遅さですが、そういう見方が少しずつ出来るようになってきました。

もう絶対やめてやる!って思ってた時期もありますが、もうちょっとだけ関わっていこうと思っています。

楽しく行こうか。

これ今年の抱負。
甘ちゃんですが、きっとこれが一番大事。


ひっそりと、多分2人くらいの為に始めたブログですが、今年も続けます。


新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

多くの人に、ご多幸を。


2013年12月8日日曜日

両手は窓の外


12月になりました。

寒さが厳しくなるにつれて修了制作が忙しくなり、制作に追われる日々を過ごしています。

今までダマジカを中心に作りブログに載せていましたが、実はもう2ヶ月ほど手をかけていません。
いつか展示出来る機会があればいいなと思いつつ、シカは修了が落ち着いたら再びやろうと思っています。とりあえず今は卒業することが大事なので。。

写真は修了制作の一部。パネルに、錆を引いてうっすら波紋を作っています。
ずっと黒を見ていると何処にいるのか分からなくなる。
でもそんな黒が好きです。

漆の仕事は塗るよりも研ぐ方に時間がかかります。
これを回転研ぎ機にかけるわけにはいかないので手動でやっています。
大体半日はずっと研いでる作業なので、これ、かなり地味。





大学の漆風呂は本当に綺麗です。
卒業したら2度とこんな大きな作品作れないだろうな。

2013年10月3日木曜日

乾漆行程2


10月になりました。
気温24℃湿度58%
中秋の名月も過ぎ、上野公園は銀杏が落ちはじめ、いよいよ秋が本格化です。

さて、前々回に引き続き乾漆制作行程です。

バラバラだったいくつかのパーツを麦漆(これは小麦粉を水で練って漆を加えたもの。ネバネバしていて強力な接着剤。金継ぎにも使われます)で接着させました。
耳とか。耳とか。顎とかね。
それから木を削って乾漆本体にはめ込みました。先のとんがっているところですね。設置の為に途中から木を使用しているんですが、何処から乾漆で何処から木かもう分からないでしょう(多分)。
乾漆って軽いことが強みの一つなんですが、今回のシカは使っている木がケンポナシという重くて堅い木であること、ツノもつくことなどを含めると既に結構重いです。これから漆を塗っていくともう少し重量が増すだろうなぁ。。金属に比べたら全然軽いけど。




それから行程遡りますが、このダマジカの石膏取り中の写真が出てきたので載せます。
ついでです。

これは油粘土で原型を作った後の石膏取り。
油粘土の石膏取りは石膏がはじかれるので難しい・・!
・・が、これは石膏の濃度を変えることによって今のところ解決。
しかしこのときはまだ試行錯誤中だったのでちょっと酷い有り様でした笑


で、この型が取れると乾燥させます。
下の写真はシカではなく別の作品(イヌ)のものですが。
バラバラに乾かすと型が歪んでしまうので後ほど針金で結びます。

日に当たって気持ち良さそう。



今回の説明は長くなってしまいました。話がだいぶ前後しているし。。
こののち湿度が下がってくると漆の仕事にも変化が訪れます。
でもそれはまた次回に。