漆/



漆という素材の魅力に魅せられて。制作や本の話や雑話など。

2013年10月3日木曜日

乾漆行程2


10月になりました。
気温24℃湿度58%
中秋の名月も過ぎ、上野公園は銀杏が落ちはじめ、いよいよ秋が本格化です。

さて、前々回に引き続き乾漆制作行程です。

バラバラだったいくつかのパーツを麦漆(これは小麦粉を水で練って漆を加えたもの。ネバネバしていて強力な接着剤。金継ぎにも使われます)で接着させました。
耳とか。耳とか。顎とかね。
それから木を削って乾漆本体にはめ込みました。先のとんがっているところですね。設置の為に途中から木を使用しているんですが、何処から乾漆で何処から木かもう分からないでしょう(多分)。
乾漆って軽いことが強みの一つなんですが、今回のシカは使っている木がケンポナシという重くて堅い木であること、ツノもつくことなどを含めると既に結構重いです。これから漆を塗っていくともう少し重量が増すだろうなぁ。。金属に比べたら全然軽いけど。




それから行程遡りますが、このダマジカの石膏取り中の写真が出てきたので載せます。
ついでです。

これは油粘土で原型を作った後の石膏取り。
油粘土の石膏取りは石膏がはじかれるので難しい・・!
・・が、これは石膏の濃度を変えることによって今のところ解決。
しかしこのときはまだ試行錯誤中だったのでちょっと酷い有り様でした笑


で、この型が取れると乾燥させます。
下の写真はシカではなく別の作品(イヌ)のものですが。
バラバラに乾かすと型が歪んでしまうので後ほど針金で結びます。

日に当たって気持ち良さそう。



今回の説明は長くなってしまいました。話がだいぶ前後しているし。。
こののち湿度が下がってくると漆の仕事にも変化が訪れます。
でもそれはまた次回に。