耳を塞いで駅前に立っていた。
何してんの?って聞いてきたラフな格好をした女の人
もう十年も昔の話だろうか。
何も信じたくなかった時代、人が大好きで、旅を続ける彼女は新しい視野をくれた。
一夜限りの友人として、今一番会いたいのは名も知らない彼女かもしれない。
思い出したのは人に話をしたから。
自分は忘れていても、どうも脳が記憶してくれていることがある。
そういう時、おおよそが、夢という媒体を通して 再び新しい色をくれる。
今日も形をつくっていた。
たったひとつだけ、きれいなラインが引けた。
正しい形を探すことは、自分自身を見つめているということ。
美しい、に引き込まれる瞬間がある。
無意識で、空白で、言葉のない時間。
願うのは、ただただ漆黒が続きますように。