漆/



漆という素材の魅力に魅せられて。制作や本の話や雑話など。

2013年6月28日金曜日

ひと呼吸


平岡はとうとう自分と離れてしまった。
逢うたんびに、遠くいて対応するような気がする。実をいうと、平岡ばかりではない。
誰に逢ってもそんな気がする。現代の社会は孤立した人間の集合体に過ぎなかった。大地は自然に続いているけれども、その上に家を建てたら、忽ち切れ切れになってしまった。家の中にいる人間もまた切れ切れになってしまった。文明は我らをして孤立せしむるものだと、代助は解釈した。
                                     ー夏目漱石「それから」ー


現代社会、と言っているけれど今から約75年前の話。
なんだ。結構今の人と変わらないんだ。っていうのが正直な感想。

3Dプリンターというまさかの機械が登場したこの時代、
何で漆なんていう膨大に手間のかかることやっているんだろうね、って話になった。
「好きだからしょうがないんじゃん」きっとそれだけの理由。

時代は変化していくけれど、人の根本はきっと変わらない。
夏目漱石展、7月7日まで東京藝術大学藝大美術館で開催しています。








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